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2009年10月11日 (日)

仲井戸麗市「I stand alone 仲井戸"CHABO"麗市 「僕が君を知ってる」」SHIBUYA-AX

今日はSHIBUYA-AXへ、「I stand alone 仲井戸"CHABO"麗市 「僕が君を知ってる」」を観に行った。
CHABOの誕生日10月9日近辺になると毎年SHIBUYA-AXで行われるこのライブ、
今年がいつもと違っていたのはチケットが即日Sold Outになっていたことだ。
SHIBUYA-AXのキャパは1,500人、ライブハウスとしてはかなり大きいハコである。
それが即日Sold Out・・・やはり“あのこと”が影響しているのは明白である。
なんとなくモヤモヤした気持ちを抱えつつ、開演時間18時ギリギリに会場に到着。
会場限定のTシャツを買おうとしたのだが、グッズ売場は長蛇の列。
これにもかなり驚いた。なんとかTシャツをゲットして、自分の席1階N列32番へ向かう。
席はフロア後方の一段高くなっているところの3列目。はっきり言ってかなり観ずらい。
CHABOのAX公演をこんなに遠くの席で観るのは初めて・・・。ちょっとフクザツな気分。
フロア内はお客さんでぎっしり。立見まで出ているというちょっと異様な雰囲気だ。
静かなピアノ曲が流れる中、ドキドキしながら開演を待つ。

予定より少し遅れて、18時10分開演。
SEが流れる中、黒の水玉のベストにパナマ帽をかぶったCHABOが登場。
いつもどおりのたたずまいのCHABOに、なんだかホッとする。
ギターを手に取り弾きはじめたのは、「よォーこそ」のイントロ。
まさかこの曲を演奏するとは思わなかった。かなり驚きである。
そして「激しい雨」をワンフレーズだけはさんで、「君が僕を知ってる」。
今日のライブタイトルからすると後半で演奏されるのでは?と思っていたのに、
いきなり前半のここで演奏されたのにはちょっとびっくり。
ここでMCとなり、「ひとりでRCサクセション、たくさんやりたいと思います」と力強く宣言。
その年の総決算とも言えるSHIBUYA-AXでのライブ、今年はやはりこれしかナイか。。。
その言葉のとおり、今日のセットリストはほぼRCサクセションのナンバー。
そこにCHABOの明確な“意志”を感じて、なんとも言えない気持ちになった。

それから「たとえばこんなラヴ・ソング」「つ・き・あ・い・た・い」、
イントロのバスドラの連打をギターのネックを叩いて表現した「上を向いて歩こう」。
「ひとりでやってます。このヤロー、気楽に手叩いてんじゃないおまえら」と悪態をつきつつ、
なんだかとっても楽しそうなCHABO。「忌野くんはキーが高いんだ」ともポツリ。
Dobroを手に取って「You Gotta Move」をつまびいたあと、「ボスしけてるぜ」。
ここから清志郎との出会ったときの話を皮切りに、さまざまな清志郎とのエピソードを紹介していく。
渋谷「青い森」での出会い、新婚のCHABOの家に清志郎がひんぱんに来ていたこと、
清志郎の部屋を訪ねていったこと、RCサクセションを初めて観に行ったときのこと、
「青い森」の楽屋・ステージでの様子、泉谷しげるとの出会い。
それにあわせるように「よそ者」「多摩蘭坂」「2時間35分」「春が来たから」と、RCの名曲が演奏される。
それから「ぼくとあの娘」「夢を見た」といった、ちょっとレアな曲も披露される。
「青い森」のお客さんがふざけたヤツのときに演奏していた短い曲ということで、
「カニ」「ムシ」「ヘビ」を立て続けに演奏。RCの武道館とかでも演ってましたね、懐かしい・・・。

ここでポエトリーリーディングとなり、清志郎の家を訪ねていったときの話を朗読。
続いて演奏されるのは「コーヒーサイフォン」かと思いきや、なんと「ぼくの自転車のうしろに乗りなよ」。
個人的には清志郎的世界の代表曲だと思うこの曲、CHABOが唄うとはなんとも感慨深い。
「忌野くんのソングライターとしての技術の素晴らしさに感銘した」という「お墓」を演奏したあと、
古井戸の本が出版されたときに清志郎が古井戸に寄せたメッセージを朗読。
続いて唄われたのが「甲州街道はもう秋なのさ」。
うまく言葉には出来ないけど、ものすごく温かい気持ちになっていく。
RCの無期限活動停止後、久しぶりに共演したという1994年の夏の出来事を朗読し、
これまた初期のRCの名曲「忙しすぎたから」。初期のRCの曲は、CHABOによく合っているな。
フロア内に街の雑踏のノイズが広がる中、CHABOが弾き始めたのは「エンジェル」。
ひたすらギターを弾き続けるCHABO、インストだけど心の中では清志郎の声が響いていた。

リズムボックスをバックに清志郎との最後の共作となった「毎日がブランニューデイ」を唄い、
本人曰く“ひとりPunk”の「キモちE」へと続く。お客さんは座ったままだけど、ノリは明らかに縦ノリ。
Bluesyなフレーズをしばらくつま弾いたあと、始まったのは「いい事ばかりはありゃしない」。
サビのフレーズは、お客さんもいっしょになって唄う。ステージには清志郎の姿も確かに見えた。
本日のライブのタイトルは“I stand alone”、だけどCHABOは決してひとりぼっちじゃない。
ここでCHABOは見慣れぬエレキギターを手に取り、「イエーってイエー!」とお客さんを煽る。
曲はもちろん「雨あがりの夜空に」。お客さんも総立ちになって、コブシを振り上げる。
なんだかスゴイことになってる。これだけたくさんの人が、ひとつの気持ちになってるのだ。
最後に、「Monthly Liveでカバーした曲だけど、自分の言葉で残しておきたくて書きなおした」という
紹介で「夏の口笛」を唄う。「ずっとあれから努力してるんだ、君の不在を受け止めること」、
悲しいけど受け止めなければならないこと。。。フロアのあちこちからすすり泣く声が聴こえてくる。
追悼の鐘の音のようなギターが鳴り響き、ライブはひとまず終了。

アンコールに応えて、再びステージにCHABOが登場。
「僕が君を知ってる」という今日のライブタイトルに込めた意味を話してから、
Monthly Liveでカバーした「Southbound Train」をオリジナルに書きなおした曲を披露。
そして「気持ちで唄うんで、こんな曲挑戦する」と言ってから、「スローバラード」を唄う。
もちろん清志郎のVocalのようにはいかなかったけど、CHABOのVocalもとても良かった。
続いて、Graham Nashのカバーで「After The Storm」。
「君に会いたい、会いたいよ君に・・・」、切々と唄うCHABOに胸が痛くなる。
そして「素顔の清志郎くんが感じられて大好きな曲であります」という紹介で、「夜の散歩をしないかね」。
ステージ後方には、満天の星。その中を「前略、戦友たちへ・・・」と、ポエトリーリーディングを始めるCHABO。
そして最後にCHABOは封筒から手紙を取り出し、「ヘイ、清志郎。聴こえてる? オレ・・・」と読み始める。
「ヘイ、清志郎。唄い続けることだよな。なぁ、清志郎。唄い続けるスピリットだったよな。
ヘイ、清志郎。わかってるぜ、キミの揺るぐことなきソウル・・・」と、清志郎に語りかける。
この手紙はMonthly Liveでも読まれたものだけど、清志郎の家族のこととか、
「中秋の名月、あれは君か?」とか、いくつかの言葉が追加されていた。
CHABOが手紙を読み終えると、ステージ後方には虹が。。。
私はここまで比較的冷静に聴いていたのだけれど、ここで抑えていた気持ちが一気に爆発。
そしてステージには、清志郎とCHABOが北海道の草原でいっしょに唄う姿が映し出される。
ここでこの曲が・・・そして本人が登場するとは・・・思ってもみなかった。
こみあげてくる熱いものをグッとこらえながら、清志郎とCHABOの姿を目に焼き付ける。
大きな手拍子と拍手の中、21時25分過ぎにライブは終了。

あの出来事から、すでに5ヶ月が過ぎた。。。
CHABOをはじめ、みんなそれぞれに自分の気持ちと向かい合っている。
今日のライブは、そんなみんなの気持ちがひとつになったものだった。
RCのナンバーばかり演奏するとなると、ヘンにお祭り騒ぎ的な感じになるんじゃないかと思ったけど、
そんなことはまったくの杞憂。この空間には温かく厳正な空気、“RESPECT!”な空気が流れていた。
そんな空間、そんな瞬間に居ることが出来て、とっても幸せだと感じた。
これで明日からもまたやっていけそうな気がする。。。

【セットリスト】
M01. よォーこそ
M02. 激しい雨
M03. 君が僕を知ってる
M04. たとえばこんなラヴ・ソング
M05. つ・き・あ・い・た・い
M06. 上を向いて歩こう
M07. ボスしけてるぜ
M08. よそ者
M09. 多摩蘭坂
M10. 2時間35分
M11. 春が来たから
M12. ぼくとあの娘
M13. 夢を見た
M14. カニ~ムシ~ヘビ
M15. Poetry:コーヒーサイフォン
M16. ぼくの自転車のうしろに乗りなよ
M17. お墓
M18. Poetry:清志郎から古井戸へ
M19. 甲州街道はもう秋なのさ
M20. Poetry:Cahoots
M21. 忙しすぎたから
M22. エンジェル(Instrumental)
M23. 毎日がブランニューデイ
M24. キモちE
M25. いい事ばかりはありゃしない
M26. 雨あがりの夜空に
M27. 夏の口笛(「I Can't Get Over You」改作)
アンコール
EN1. 曲名不明(「Southbound Train」改作)
EN2. スローバラード
EN3. After The Storm
EN4. 夜の散歩をしないかね
EN5. Poetry:戦友たちへ

お腹がすいたので、駅前まで戻って「山家」本店へ。
ちょうどいい感じにカウンターが空いていたので、そこに座って呑む。
かつおの刺身を頼んだつもりが“かき酢”になってしまったけど、意外と美味しくってゴキゲン。
1時間ほど満喫して、23時過ぎの電車で帰宅。

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