伊藤サチコが唄う歌詞の一人称は、決まって「ぼく」。女性シンガーで「ぼく」を使う人っていうと、個人的には沢田聖子を思い出す。でも彼女の場合はどの曲でもそうなわけではなく、曲によって使い分けていたような気がするんだけど、伊藤サチコは徹底的に「ぼく」なのだ。しかもどことなく切迫して切実なその歌詞に、思わず胸が苦しくなってきてしまう。6月に行われた「ちょうふ音楽祭」でたまたま観て、その真摯な音楽がとっても気にいった。このアルバムは、そのときもオープニングに唄われた「僕の場所」を含む作品。じっくりと聴き込みたいアルバムだ。
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