Cyndi Lauper「MEMPHIS BLUES JAPAN TOUR 2011」渋谷 Bunkamura オーチャードホール
今日は渋谷 Bunkamura オーチャードホールへ、
Cyndi Lauper「MEMPHIS BLUES JAPAN TOUR 2011」を観に行く。
Cyndi Lauperはそれほど熱心に聴いてきたわけではないけど、
この機会に観ておきたいな・・・と軽い気持ちでチケットを購入。
それがこれほどまでに強烈な体験になるとは思ってもみなかった。
先週の金曜日3月11日、東北地方太平洋沖地震。
東北から関東にかけて、大きな爪痕を残した大震災。
あまりにも大きな被害をまのあたりにして、みんな自粛するべき!という雰囲気。
加えて福島第一原子力発電所の被害による電力不足、計画停電による節電。
そんな世の中の流れの中、ライブやイベントは中止や延期があいついでいる。
そこで、Cyndi Lauperは・・・である。
悩みに悩んだ末、「少しでも勇気を、少しでも元気を与えることができるなら」と開催を決定。
さまざまな葛藤の中で開催を決断した勇気は、さすがシンディ姐さんといった感じだ。
だけど問題は自分だ。今の精神状態で、果たして心から楽しめるのであろうか?
それにこのところの交通の混乱ぶりを見るにつけ、行き帰りの交通手段が気がかり。
でもそれほど被害のなかった東京に住んでいながら、いつまでも鬱鬱としているのも
「なんか違うよな・・・」と思っていた矢先、シンディ姐さんから元気をもらおうと行くことを決意。
仕事もけっこう忙しいのだが、どうにか18時前に退社して渋谷へ向かう。
京王線は通常どおり運行という話だけれど、それでもやはり5分程度の遅れ。
だけど明大前駅での乗り換えがうまくいき、なんとか開演時間までに会場へ到着。
渋谷の街もゲーセンが閉まっていたり、東急百貨店も18時で閉店だったり、心なしか寂しい雰囲気。
会場入りすると義援金募金の呼びかけ、どうしてもいつもとは違った空気を感じてしまう。
最新アルバムを買って直筆サイン入りカードを貰い、気持ちを高めてフロアへ入場。
わたしの席は1階3列26番・・・なんと3列目! ややステージ向かって右寄りだけど、ステージは近い。
客席はやはり空席が目立つ。みんな今日のライブを楽しみにしていただろうに・・・心がズキズキ痛む。
予定よりかなり遅れて、19時15分ごろ開演。
バンドはドラム、ベース、ギター、キーボード×2という編成。ところどころでホーンが加わる。
おぉ、ドラムは「BLUES BROTHERS」に出演していたSteve Pottsじゃないか!
シンディ姐さんは、黒いレザーの衣装で登場。
それなりに年齢を重ねた感じだけど、雰囲気はあの頃のままだ。
Cyndi Lauperというと、鮮烈だったデビュー当時のGIRLSポップという印象がどうしても強いけれど、
今はもはや本格的なBluesシンガーという感じ・・・ いつのまにこんなになってたんだ!(もちろんいい意味で)
重厚なリズムに乗って、ステージを右へ左へ踊りながら唄いまくる。
それだけでは飽き足らず、ステージサイドの階段を降りて、客席でシャウトするシンディ。
これが・・・グッときた。
シンディはだいたい10列目ぐらいでフロア後方や2階・3階のお客さんに向かって唄うのだが、
わたしの位置から見るとシンディの背中越しにお客さんの顔がはっきり見えるのだ。
楽しそうに笑いながら唄っている顔、涙で顔をくしゃくしゃにしながら感激している顔、
ちょっと明るくなったフロアにたくさんの人の顔が浮かんで、なんとも言えない気持ちになる。
これが音楽の力なのだ・・・。シンディ姐さんは、これを伝えたかったのではないかな。
ライブはツアータイトルどおり最新アルバム「MEMPHIS BLUES」からの曲と、
往年の大ヒット曲とを織り交ぜた構成。
Bluesをキーワードに、「She Bop」もとってもシブいアレンジが施されている。
シンディはスチールギター(?)を弾きながら唄ったり、
何度も客席に乱入してお客さんといっしょにシンガロングしたり。
自分の気持ちのあるがまま、思いっきり音楽を楽しもうという気持ちが伝わってくる。
そうすることによって、落ち込んでいる私たちに元気になってもらいたい・・・。
そんなシンディの姿を見ているうちに、思わず涙があふれ出てきた。
そうこうしているうちに、あっという間に本編は終了。
えっ?まだ1時間しか演奏してないのになぁーと思っていたら、アンコールがまた濃かった。
「Girls Just Want to Have Fun」を会場にいる全員で延々と大合唱したり、
「Time After Time」をじっくりと聴かせてくれたり。。。
バンドも各パートそれぞれソロをたっぷりと披露してくれて、それをじっと見つめるシンディも素敵。
最後にバンドメンバー全員が一列に並んで、肩を組んで深々とお辞儀。
これで終わりかと思いきや、キーボードとホーンとシンディだけがステージに残り「True Colors」。
シンディは「Power to The People! Japanese is Strong People!」という言葉を残して、
ステージを去って行った。シンディの熱いメッセージ、しっかりと受け止めることが出来た。
こうして20時55分過ぎ、涙と感動のライブはすべて終了。
本当に迷ったけれど、やっぱり来て良かった・・・。
客席に降りてきたときに握手したシンディの手のぬくもり、
縦横無尽に動きまわるパワフルなシンディのヴォーカル、
それに応えるお客さんの楽しそうな笑顔。
今日のライブ、生涯決して忘れない・・・。
ありがとう、シンディ。
まだ21時になったばかりなので、飲んで帰ろうと渋谷駅前をブラブラ。
店はわりと普段どおりに営業していて、なんだかホッとする。
「山家」に入って、いつものように焼鳥を食べながらビールとホッピーを飲む。
でもいつもなら23時閉店なのに、今日は22時半閉店なんだと。
やっぱりお客さんの入りが悪いからなのかな・・・ちょっと残念だった。
仕方なくおひらきにして帰る途中、明大前で「C&Cカレー」に寄る。
店員さんの振る舞いが素晴らしくて、なんだか嬉しかった。
家に帰ると、スカパーのチューナーの設定がクリアされている。
どうやら計画停電が実施されたようだ。
そう言えば18時過ぎの国領駅、ゴーストタウンのように真っ暗だったもんな。
うーん、とうとう始まったか・・・ フクザツな気分。
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