清志郎を読む「忌野清志郎が聴こえる 愛しあってるかい」神山典士
不定期気まぐれ連載「清志郎を読む」。
四冊目の今回は、神山典士 著「忌野清志郎が聴こえる 愛しあってるかい」。
著者の神山典士という人は、ノンフィクション作家であるらしい。
いろいろなテーマで作品を書いているようだが、この本もそのひとつである。
つまりはこの本を書くまでは、RCや清志郎の曲を観たことも聴いたこともないようだ。
そんな中、清志郎がガールフレンドに渡したテープが発掘されたことをきっかけに、
当時の関係者へインタビューを試み、興味深いエピソードを聞き出している。
そういう意味ではさすがだなぁ~と思うわけだが、正直どうにも愛が感じられない。
この頃に出版された他の清志郎本と同様、情報が足りない部分は過去の出版物を
引用する形をとっているけど、あまりにも情報が偏り過ぎている気がする。
そのため、高校時代からデビュー当時のことは詳しく書かれているのに比べ、
1980年代のRCやソロ活動についてはかなりスカスカな内容。
本を読むということは、事実をありのままに詳しく知ることが出来るか?
もしくは筆者がどのように思ったかを共有出来るか? どちらかだと思っている。
そういった意味でこの本は、ちょっと中途半端な印象を持ってしまう。
著者の清志郎への思いが瞬間的には熱かったにせよ、
この本が出版されたあとに起こった、ファンを巻き込んでの大騒動を思い出すにつけ、
なんだかなぁ~という気持ちだけが残る一冊なのである。
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