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2014年7月 8日 (火)

清志郎を読む「ネズミに捧ぐ詩」忌野清志郎

不定期気まぐれ連載「清志郎を読む」。
十六冊目の今回は、忌野清志郎「ネズミに捧ぐ詩」。

Bookkiyoshinezuminisasaguuta

「新たに自宅で見つかったノートを完全書籍化した私小説」という触れ込みで、
あれからちょうど五年の2014年5月2日に発売された未発表・書き下ろしの単行本。
母親の死、父親の死、それをきっかけにした亡き実母の形見との出会い。
親の死に直面して、もちろんいろいろな想いが駆け巡ったのだろうけど、
清志郎の文章はわりと淡々と忠実にその日々を綴っている。
とっても悲しいのだけれど、なんとなく事務的になってしまうところがあったり、
泣いてお別れするよりも、ありがとうの気持ちを込めて笑って見送りたかったり。
それが親子というものなのかな・・・と、清志郎の文章を通じてしみじみと思ってみたりする。

それに対して亡き実母の形見との出会いは、「とっても幸せな気持ち」と表現している。
写真であったり、録音したSPレコードであったり、すべてが好きで好きでたまらない様子。
だけど涙がどんどん出てきちゃうのさ・・・というところに、清志郎の複雑な想いが窺える。
そして戦争や原発やマスコミのあり方へ、清志郎の言葉はグイグイと切り込んでいく。
亡き実母の残した文章や俳句をきっかけに「COVERS」が作られたという話もあり、
清志郎の心境の変化がところどころに見え隠れする様子がなんとも言えない。
1988年、このときの清志郎がそのまま詰め込まれた一冊である。

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