それから、円山町のO-EASTへと向かう。
今夜は、「【橋本潤 生誕55周年祭~Tribute to HASHIMOTO JUN~」があるのだ。
今年の4月に旅立ったベーシスト:橋本 潤さんの生誕55周年をお祝いするライブ。
18時開演という異常な早さに戸惑いながらも、なんとかやりくりして間に合うことが出来た。
今日は事前にタイムテーブルが発表されていて、それによると終演予定は22時40分。
長丁場を想定して2階指定席にして良かった。しかも1列21番というステージ正面の最前列。
SHIBUYA-AXや赤坂BLITZだと、2階席はちょっと疎外感を感じてしまうのだけれど、
ここはステージからの距離も近くて、ステージの全てがよく見えるので申し分ない。
ミュージシャンの演奏をちょっと違う角度から観られるというのも、なかなか無い体験だ。
これはちょっと病みつきになってしまうかもしれない・・・。
そんなことを考えているうちに、開演時間の18時になる。
ほぼ定刻通り、まずは石橋 凌のステージが始まる。
ステージ下手からDrums:池畑潤ニ、Bass:渡辺圭一、Keyboards:伊東ミキオ、
Guitar:藤井一彦、そして最後にVocal:石橋 凌がステージに登場する。
始まったのは「Jumpin' Jack Flash」。凌さんが唄うStonesナンバー、こいつはゴキゲン。
それからRock'n'RollとBluesのスタンダードナンバー「Route 66」「I Got My Mojo Workin'」、
“ARB”のナンバーから「ダディーズ・シューズ」「AFTER 45」という構成。
25分ちょっとという短い時間だったけど、とっても充実したステージだった。
セットチェンジをはさんで、18時40分ごろから“THE BLACK-50”の演奏。
ドラム、ベース、ギター、ヴォーカルというオーソドックスな編成のバンド。
ドラムとベースは、“TH eROCKERS”の船越祥一と穴井仁吉だ。
古き良き時代のRock'n'Rollという感じの演奏、ストレートなサウンドは嫌いじゃない。
約20分間の演奏、あっという間のひとときだった。
19時10分ごろから、三番手の寺田町の演奏が始まる。
アコースティックギターを抱えての弾き語りスタイル。
独特のしゃがれた声が心に染みる。なんとなくSIONを連想してしまった。
まわりはバンドばかりという状況で一人でステージに立つのは、並々ならぬ覚悟なんだろうな。
なんとことを思っているうちに、20分弱で演奏は終了。
19時30分過ぎから、“ゼラチン・シルバー・ミュージック・クラブ・バンド”のステージ。
メンバーは、Drums:GRACE、Keyboards:エマーソン北村、Vocal&Guitar:佐野史郎。
言うまでもなく“俳優”佐野史郎のバンド・・・ なんだけど、演奏はかなり本格的。
バックを務めるメンバーの演奏力もさることながら、佐野史郎の本気さ加減がかなりなもの。
淡々と唄いあげるヴォーカルと難解なギターソロが、なんとも言えない雰囲気を醸し出している。
ちょっと癖のあるサウンドだけど、とっても楽しめる20分ちょっとの演奏だった。
20時になろうとする頃、Keyboards:伊東ミキオ、Guitar:今井秀明、
Trumpet:渡辺隆雄がステージに登場。
今夜のための特別なセッション。メンバー紹介のあと、インストナンバーの演奏が始まる。
伊東ミキオの超絶的なプレイ、鍵盤の上を踊る指がこの位置からだとよく見える。
そしてなによりも印象に残ったのが、渡辺さんの吹くトランペット。
これまで何回となく渡辺さんのプレイを観てきたけれど、今夜はいつも以上に心に刺さった。
たった一曲だけの演奏・・・ もっとたくさん聴いてみたいと思った。
そして20時10分過ぎ、“SHEENA & THE ROKKETS”の演奏が始まる。
見る見るうちに、ステージ前の人口密度が高くなっていくのがわかる。
本当はこのあたりで1階フロアに移動するつもりだったけど、
いつもと違った角度で観るのもいいかな?と思って、このまま2階から観ることにした。
まずは鮎川がヴォーカルをとり、“THE ROKKETS”として「ビールス・カプセル」を演奏。
続いてシーナが加わって、「ライド・ザ・ライトニン」「ロックの好きなベィビー」とちょっとレアなナンバー。
そして早くも怒涛の盛りあがり、「レモンティー」からの「ユー・メイ・ドリーム」。
今夜のシーナは声がとてもよく出ていて、なんだか感慨深いものがあった。
30分ほどの時間だったけど、びっちりと密度の濃い演奏だった。
続いて20時50分から、“三宅伸治 & THE TRAMP”のステージ。
Drums:GRICO、Keyboards:伊東ミキオ、Guitar:高木克、Vocal&Guitar:三宅伸治というメンバー。
あえてベースレスでの演奏、そこには橋本 潤がいるということなのかな?
それでも途中から橋本 潤の息子タイトが、お父さんのベースを弾くという泣かせる展開。
個人的に“THE TRAMP”は初めて観たけど、全体的に重厚な感じがして好きだな。
GRICOのドラムはあいかわらずパワフル、それに合わせてHeavyなサウンドになるのかも?
選曲的には「フリータイム」と「たたえる歌」が聴けたので、かなり満足度の高い30分であった。
次はいよいよ“TH eROCKERS”のステージ。
明らかに会場内の空気が変わり、ピーンと張り詰めた雰囲気が漂う。
ステージ前はたくさんのお客さんが押し寄せ、人口密度がものすごく上がっている。
21時25分過ぎ、セッティングが終わるか終らないかのタイミングで、
待ちきれないようにドラムの船越がビートを刻み出す。うーん・・・カッコいい!あがるわー!
陣内がステージに駆け込んできて、「ロックンロール レコード」が始まる。
曲にあわせて激しくジャンプし、スタンドマイクを巧みに操る陣内。
“TH eROCKERS”仕様にみっちりと鍛えてきた感じがして嬉しい。
本日のメンバー(陣内曰く「ザ・ロッカーズの楽しい仲間たち」)は、Drums:船越祥一、Bass:穴井仁吉、
Vocal:陣内孝則のオリジナルメンバーに加えて、再結成時から参加しているGuitar:角 英明、
そして今回初参加というGuitar:澄田 健というラインナップ。
澄田さんは先日の“ケラ & ザ・シンセサイザーズ”でも弾いていた、個人的に最近の注目株。
陣内はあいかわらずトボけたMCをいつもの調子でかましていたけど、
最近観た映画でアル・パチーノが言っていた台詞「人間は二度死ぬ。一度目は肉体から魂が消えたとき。
そして二度目はその人の名前が他人の口から出なくなったとき」を引用したところはグッときた。
25分ちょっとの演奏時間だったけれど、「ロックンロール レコード」「非常線をぶち破れ」「1999」
「ムーンナイト・ラブ」「涙のモーターウェイ」「可愛いあの娘」「ショック・ゲーム」と、
7曲をぶち込んできたところはさすが“TH eROCKERS”という感じだ。
そして22時05分ごろ、ラストの“横道坊主”の演奏が始まる。
ここまでほぼ予定時間どおり進行していたのに、ここで10分遅れの開始となる。
「Blank Generation」が爆音で流れる中、メンバーがステージに登場。
ドラム、ベース、ギター、ヴォーカル&ギターという編成。意外と静かな幕開け。
それでもヴォーカルの中村義人がギターをアコースティックからエレキに持ち替えると、
だんだんとフロアの空気がヒートアップしていく。
途中から歴代のメンバーが加わり、ドラム×2、ベース×2、ギター×2という編成に。
それでもぽっかりと空いていた橋本 潤がいるべきポジション、
そこにはふたたび息子のタイトが入って演奏を繰り広げる。
“横道坊主”は初めて聴いたけど、とっても気持ちを温かくさせる約35分の演奏だった。
アンコールは、本日の出演者が勢ぞろいしてのセッション。
勢ぞろいと言いつつも、凌さんと陣内が居ない・・・。
凌さんと陣内と鮎川が揃ったら、メンタイロックファンとしては堪らなかっただろうな。
始まったのは、潤さんが一番好きだったというJohn Lennonの「Imagine」。
いろいろな人がヴォーカルをまわす中、ひとりだけ日本語で唄った伸ちゃんが印象的。
清志郎訳詞を取り入れながらも、潤さんへの想いを込めた日本語詞がとっても良かった。
こうしてライブがすべて終了したのは、22時55分過ぎ。
5時間に及ぶ長時間のライブ、とっても熱くてとっても濃くてとっても大満足のライブだった。
会場には友達も何人か来ていたのだけれど、この時間なので流石に打ち上げはナシ。
それでもちょっとだけ飲んでいきたいというのが正直なところ。
いつも行く店はもう閉店してしまうので、「小倉山」という店に入ってみる。
なかなか洒落た雰囲気の落ち着ける店。料理もなかなか美味しくて言うことナシ。
けっきょく1時ごろまで飲んで、久しぶりにブラブラと歩いて帰宅。
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