JOY-POPS「Wrecking Ball」渋谷 CLUB QUATTRO
今日は渋谷 CLUB QUATTROへ、JOY-POPS「Wrecking Ball」を観に行く。
2000年に解散した“The Street Sliders”のデビュー35周年企画として、
村越“HARRY”弘明と土屋公平のユニット“JOY-POPS”が奇蹟の復活。
HARRYと公平が同じステージに立つのは、2000年の解散以来18年振り。
充実したソロ活動を繰り広げている二人がどのようなステージを見せてくれるのか?
激しいチケット争奪戦をくぐり抜けて、めでたく今日という日を迎えることが出来た。
開場時間の17時に合わせて、バスに乗って渋谷へと向かう。
ゴールデンウィーク初日で道が混んでいるかと思ったけど、いつも通りに到着。
整理番号A-300番までは4階フロアで待機ということなので、エレベータに乗って4階へ。
考えてみると、QUATTROで開場時間通りに入場するのは初めてかもしれない。
予定通り17時に開場し、ひとりひとり呼び出されて整理番号A-241番で入場。
フロアは既にかなり埋まっていたけれど、ステージ下手の柱際に居場所を確保。
開演直前に後から圧がかかって、なかなか良いポジションをキープする事が出来た。
予定時間の18時をちょっと過ぎたころ開演。
ステージ下手からHARRY、そして公平の順番でステージに登場。
上手にHARRY、下手に公平がスタンバイ。オープニングは「7th Ave. Rock」。
続いて「安物ワイン」。ギターをかき鳴らしながら朗々と唄うHARRYと、
イカしたフレーズを絡めながらコーラスを入れる公平。二人が揃っている姿を観られるだけで嬉しい。
沸き起こる歓声ににこやかに手を振るHARRY、「どうもこんばんは~JOY-POPSです」と挨拶。
そして「Angel Duster」。HARRYのライブではいつも「エンジェルダスタァ~♪」の部分は
お客さんが唄うけど、今夜は公平が唄ってくれる。当たり前だけど当たり前でない光景。
それから「Pardon Me」「Get Out Of My Mind」とミディアムテンポの曲が続いたところで、
ギターをアコースティックからエレキへと持ち替えて「カメレオン」。
今夜のHARRYはテレキャスとテレキャスカスタム、公平はSGとSG Jr.をメインに使用。
ぶっとい音とぶっとい音とのからみ合い、リズム隊が居なくてもここまで出来るんだという感じ。
続いて「Feel So Down」「FRIENDS」。今夜の選曲は、スライダーズ中期のアルバムが中心。
アッパーチューンよりも、ミディアムやスローテンポのナンバーが多いといった印象。
だけどそれが逆にこれまでの時の流れを感じさせて、なんとも言えず感慨深かった。
「公平と俺が出会ったのは1980年、若干20歳そこそこ。それが今じゃこんな大人になっちまった。
公平いっしょに唄おうぜ!」とHARRYが言うと、公平がおもむろにギターを弾き始める。
ところがチューニングがいまいちだったらしく、演奏をやめてチューニングを始める公平。
それを見て「最高だろ。こんな大人だ!」と言い放つHARRY、これがまたカッコ良過ぎ。
始まったのは「かえりみちのBlue」。重なり合うHARRYと公平の唄声、もぅ~鳥肌が立ちっ放し。
お客さんから飛ぶ声援に「サンキュー!」と応えるHARRY、ここ最近のライブではお馴染みの光景。
公平は「蘭丸~!」という声援にはノーリアクションで、「公平~!」という声援には深くうなづく。
ディープな雰囲気で「道」を演奏したあと「すれちがい」。ワウを効かせた公平のギターがたまらない。
赤い色を中心にしたライティングが、ステージの二人を効果的に照らし出す。
次の曲は「Midnight Sun」。この日演奏された唯一のHARRYのソロナンバー。
あくまでも個人的な印象だけれど、今夜のJOY-POPSを観て思ったのは
昔のJOY-POPSが復活したというよりも、現在のHARRYに現在の公平が加わったんだなという事。
スライダーズ1/2なのではなく、現在の村越“HARRY”弘明+現在の土屋“蘭丸”公平。
そしてそれがすごく良かった。唯一演奏されたソロナンバーが、それを象徴している感じだった。
ここで「メンバー二人しかいないのですぐに終わる」と言いながら、HARRYと公平がお互いを紹介。
公平は「HARRYから『久しぶりに何かやらないか』と電話がとかかってきた」と、今回のいきさつを話し出す。
「新曲やりたい!」と繰り返して言う公平に、HARRYは「どうかな~?」と言葉を濁していたらしいけど、
「年が明けて新曲を作って来てくれた。言ってみるもんだなぁ~」と公平は嬉しそうに話す。
HARRYが書いてきたという新曲は「新しい風」というミディアムテンポのBluesナンバー。
「小さな革命が起こる~新しい風が吹く~♪」というフレーズが、妙に印象に残った。
それに応える形で、公平が書いたという新曲「デルタのSue」を披露。
「サム&デイブとかジョンとポールみたいに、ずっと二人でハモるんだぜ」というHARRYの言葉通り、
二人の声がひとつになって、満員のお客さんで埋まっているフロアに響き渡る。
続いて公平ヴォーカルで「Sugar Sugar」。初期のスライダーズファンにはお馴染みのキラーチューン。
公平はソロや麗蘭とは全く違う印象。いつもはバンマスとしての意識が先立っているのだろうけど、
絶対的な信頼をHARRYに抱いているから、HARRYと一緒の今夜は本能的にギターを弾いてる感じ。
Keithにしろ、CHABOにしろ、公平にしろ、ソロ作品を初めに聴いた時に感じた違和感はそこなんだろう。
もちろん今となってはソロも大好きなのだけど、ギタリストとして見てしまったものは一生ついてまわる。
MickあってのKeith、清志郎あってのCHABO、そしてHARRYあっての土屋“蘭丸”公平。
そろそろライブも終盤に差し掛かり、Funkyなダンスチューンの「Yooo!」。
そうそう!この感じ。スライダーズナンバーは腰に来る。縦ノリでなく、あくまでも横ノリ。
サビの「降っても晴れても All day workin'」の部分を、お客さんみんなでシンガロング。
軽快なRock'n'Rollチューン「No More Trouble」から、公平が弾き始めたのは「Back To Back」。
HARRYのライブでも比較的頻繁に演奏されるこの曲、いろいろな人のギターで聴いてきた。
だけど公平が弾くそのイントロは、明らかに何かが違う。そのサウンド、そのリズム。
やっぱりコレ、コレだよね~。このイントロが聴けただけで、今夜は大満足と言っても過言ではない。
HARRYがザクザクとリズムを刻み、それに公平がフレーズを重ねて「いいことないかな」が始まる。
「いいことないかな Hi Hi Hi~♪」の部分をお客さんに任せ、ステージ前方でギターを弾くHARRYと公平。
ふたりともお客さんをじっと見つめるんだよな~。なんだか嬉しいような、ちょっと緊張するような。
夢のようなひととき、あっという間に本編は終了。
アンコール、ツアーTシャツに着替えてHARRYと公平がステージに登場。
公平は「あっ、HARRY! いいTシャツを着てるじゃないですか!」というお決まりのセリフ。
「ゴールデンウィークは普通だったら競輪や雀荘に行くところ、音楽を聴きに来るなんて最高にセンス良い」
と言ったあと、「HARRYのほうから一言お願いします」とHARRYに話をふる公平。
「昔はギタリストに憧れていたけれど、最近はMCがうまいヤツに憧れる」と言うHARRYに、
「おしゃべりがうまい男なんて、ろくなヤツいない」とすかさず返す公平。
そんな言葉をさえぎるように、「曲やろうぜ!」と言い放つHARRYが可笑しい。
そして始まったのは「マスターベーション」。初期スライダーズといえば、個人的にはこの曲。
公平ヴォーカルで「天国列車」を演奏したあと、最後の曲は「ありったけのコイン」。
アコースティックギターを弾きながら唄うHARRY、なんだかとっても心に染みた。
すっごくイイ感じのエンディング。手を取り合って挨拶するHARRYと公平に大歓声が沸き起こる。
こうして20時20分ごろ、演奏はすべて終了。
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