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2019年2月16日 (土)

D.U.B.「梅津和時プチ大仕事 2019 D.U.B. 片山広明に捧ぐ」新宿 PIT INN

今日は新宿 PIT INNへ、「梅津和時プチ大仕事 2019 D.U.B. 片山広明に捧ぐ」を観に行く。
13日から始まっている梅津さんの毎年恒例「プチ大仕事」、本日4日目は“D.U.B.”の登場。
昨年11月に亡くなった片山さんに捧げるライブ。ちょっぴり複雑な気持ちで新宿へと向かう。
19時15分ごろ会場に到着。地下へ降りると、既にたくさんのお客さんで溢れかえっている。
予定通り19時30分に開場して、整理番号9番で入場。通し券との並列入場、実質的には16番目ぐらいか。
それでもなんとかステージ真正面の三列目を確保。ステージ全体がよく見えるベストポジション。
本日はソールドアウトということもあり、立見を含めてフロアはすし詰めの超満員。

予定通り20時に開演。まずは“D.U.B.”のみでのステージ。
ステージ上手からSax:梅津和時、Drums:菊池 隆、Bass:早川岳晴という並び。
ステージ下手がぽっかりと空いているという事実に、どうしても寂しさを感じてしまう。
それでも演奏はいつも通りの“D.U.B.”、とってもゴキゲンでちょっぴり変態的なプレイ。
菊池さんは曲によってレギュラーグリップとマッチドグリップを使い分けてのドラミング。
ドカドカと叩きまくるところと、ブラシを使ったりして繊細にプレイするところの落差が素敵。
早川さんはMC924オンリーで演奏。今夜もブリブリにはじける音がたまらない。
個人的には早川さんの参加バンドのうち、一番好きなのは“D.U.B.”なのかもしれない。
ギターレスという編成による部分もあって、ガッチリとビートを刻むところと派手にソロをぶちかますところと、
Bass Godぶりが思う存分に堪能出来る。左手の美しい運指と右手の力強さに、思わず目が釘付けになる。
梅津さんはガラモンやブースカがプリントされたシャツを着て、サックス、クラリネット、バスクラリネット、
フルートなど、6種類ぐらいの管楽器を使い分け、片山さんのパートをカバーしながら二人分のプレイ。
それでも「POP UP」とか二人でハモるところは、どうしようもない寂しさを感じてしまった。
笑顔の中に時々見せる寂しそうな横顔に、グッと胸を締め付けられた。
「TANG TANGO」から始まって「JAYNE」で終わり。55分ほどの演奏時間。

インターバルでは、梅津さんの家にあった写真がスクリーンに投影される。
梅津さんが一枚一枚解説して、早川さんは「俺が写っていない」「これは俺が写した」とツッコミを入れる。
若き日の生活向上委員会、RCサクセション、海外ツアー、オフショット、片山さんの笑顔がたまらない。

そして21時25分ごろから第2部が始まる。
メンバー三人に続いて、「僕たちの昔からの友達です」という紹介でCHABOがステージに呼び込まれる。
CHABOは「片山、聴いてろよ」と言って、「大いなる訣別(ナンデ、ナンデ、ナンデ)」を唄う。
コミカルな歌詞のナンバーだけど、「なんで行っちまったんだ」というところが違う意味に聞こえてきてしまう。
「こんなライブやりたくなかったけど、あいつのために」とCHABOは言い、片山さんとよく演奏したという「打破」。
CHABOはテレキャスでセンシティブなリフをつま弾き、そこに梅津さんのサックスがからみつく。
それから「デコボコ山」の演奏をバックに、片山さんのアルバム「So-Kana」に寄せたライナーノーツの朗読。
テレキャスをかき鳴らしながら読み進めるCHABO。朗読というよりむしろ絶叫。こいつにはやられた。
今夜のCHABOは、黒縁のメガネと薄い色つきのサングラスをかけたりはずしたり。
その使い分けにどういう意味が込められているのか? ちょっと気になるけど詮索はしない。
ここで少し雰囲気を変えて、清志郎が作ったブルースナンバー「あの娘とショッピング」を演奏。
続いて「ハレルヤ」。片山さんに捧げるナンバー。早川さんと梅津さんの唄声が心に染みる。
CHABOは片山さんの訃報を聞いたときの事をしばらく話し、お通夜から帰る途中に書いたという
「帰り道~あいつのブルース Song for H.K.」を唄う。ほんわかとしたタッチのナンバーではあるけれど、
片山さんへの思いがたくさん詰まっている。片山さんが乗り移ったかのようにサックスを吹きまくる梅津さん。
最後はRCナンバーの連続で、「いい事ばかりはありゃしない」から「雨あがりの夜空に」。
いつものように盛りあがったけど、言いようのない寂しさをどうしても感じてしまった。

アンコールは、「ほわっとした感じで終わりたい」という梅津さんのリクエストで「ガルシアの風」。
バンドで演奏されるのを聴くのは、久しぶりのような気がする。レゲエ調のアレンジのバージョン。
生きている限り「どうにもならない事など何も無い」はずは無いのだけれど、
「どうにもならない事など何も無い」と信じて残された僕たちは生きていくしかないのだと思った。
今夜は片山広明に捧げられた夜・・・それぞれの思いを胸に、 22時50分ごろ終了。

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