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2019年11月16日 (土)

ケラリーノ・サンドロヴィッチ「ドクター・ホフマンのサナトリウム ~カフカ第4の長編~」KAAT 神奈川芸術劇場

今日はKAAT 神奈川芸術劇場へ、「ドクター・ホフマンのサナトリウム ~カフカ第4の長編~」を観に行く。
ケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出のこの作品、「『失踪者』『審判』『城』に続く、
カフカの4作目の長編小説の遺稿が発見されたとしたら!?」というテーマ。
カフカを全く知らない私なので大丈夫かな?と思ったけど、ケラさん作・演出とあればやはり見たい。
会場のKAAT 神奈川芸術劇場は、みなとみらい線の日本大通り駅から歩いて数分のところにある。
千代田線~副都心線~東横線~みなとみらい線を経由するので、直通運転があるとはいえかなり遠い。
1時間以上かかってようやく到着。来るのは初めてでは無い。あいかわらず大きくて立派な劇場。
今日の席は、1階11列8番。ステージ下手寄りだけど、段差が急なので観やすい。

ほぼ予定どおり、18時30分開演。
借金に苦しむブロッホ(渡辺いっけい)は、友人(大倉孝二)とともに、
自身の祖母が所持していたフランツ・カフカの遺稿を出版社に持ち込もうと画策していた。
その未発表原稿は、主人公カーヤ(多部未華子)が出兵間近の婚約者ラバン(瀬戸康史)と
生き別れる様を描いた冒険もの。ブロッホがたまたま読んだ「やさしい道の迷い方」をきっかけに、
ブロッホが生きる2019年の世界、カフカが生きた時代、カフカが執筆した小説の中の世界、
3つの時空が交錯していくという物語。出演は他に犬山イヌコ、緒川たまき、音尾琢真、村川絵梨、麻実れい。

3つの時空が交錯するということで、ストーリーを追いかけていくことに集中。
そのため一幕:1時間45分、二幕:1時間30分という長い上演時間があっという間に感じた。
時間の交錯はケラさんの芝居ではよくあるけど、今回は空間の交錯という部分が強調され、
ステージ上は前後左右に伸びる階段とさまざまな形に並べられる椅子で構成、
ステージ下の奈落へ続く階段がいたるところに設けられている。これにはちょっとビックリ。
渡辺いっけいと大倉孝二のからみはとてもおもしろく、特に大倉さんはその存在だけで笑える。
多部ちゃん演じるカーヤは凜としているというより強気な雰囲気が良かったけど、
終盤でドクター・ホフマンのサナトリウムに収容されているというくだりには理解がついて行けず。
今回は音楽が生演奏で、Guitar:伏見 蛍、Percussion:関根真理、Violin:高橋香織、
Trumpet:鈴木光介から成るバンドもさりげなく舞台の一員となっていたのが良かった。
上演終了は22時10分。長かったけど長さを感じさせず、とてもおもしろかった。

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