VA「忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー Oh!RADIO ~五十年ゴム消し~」エディオンアリーナ大阪
今日はエディオンアリーナ大阪へ、「忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー Oh!RADIO ~五十年ゴム消し~」を観に行く。
忌野清志郎もといオーティス栗原が2000年代に開催していた「ナニワ・サリバン・ショー」が14年ぶりに復活。
しかもCHABOが出演するとなれば、これは行くしかない。2020年初の遠征は大阪からということになった。
11時30分東京駅発の新幹線に乗り込み、新大阪駅に到着したのは14時ごろ。
そしてそのまま会場のエディオンアリーナ大阪に直行。なんば駅からほど近い好立地。
14時40分ごろ到着すると、既に先行グッズ販売の列が出来ていた。だけど思っていたほどの人数ではない。
15時から販売開始。列はサクサクと進んで、20分ほどで購入完了。欲しいものはすべて買うことが出来た。
続々と集まってくる友達。いつもの事ではあるけれど、こういう瞬間ってなんだかとても気分が上がる。
今夜泊まるホテル「ル・ボテジュール ナンバ」へチェックインするため、ちょっとだけ離脱。
再び会場へ着いたのは17時ごろ。16時30分に開場していたので、そのまま会場入り。
今日の席はアリーナA6ブロック3列2番。ステージ上手寄りではあるものの、前から3列目という神席。
高いステージのヘリには「NANIWA SULLIVAN SHOW」の文字がくっきりと浮かび上がっていてカッコいい。
ステージ横と後のスタンド席にもお客さんが居て、なんだかちょっと不思議な感じ。
予定より遅れて、17時35分ごろ開演。
まずはこれまでのナニサリを振り返る映像。2001年・2004年・2006年・・・そして今回は14年ぶりの開催。
Drums:サンコンJr.、Bass:中條 卓、Keyboards:伊東ミキオ、Guitar:藤井一彦、TenorSax:多田葉子、
AltoSax:梅津和時から成る“NANIWA SULLIVAN ROCK'N'ROLL CLUB BAND”の演奏に乗って、
トータス松本+渡辺大知+奥田民生+宮藤官九郎が「ナニワ・サリバン・ショーのテーマ」を唄う。
当然ながらこのイベントでしか聴いたことの無い曲だけど、何気に名曲で好きなんだよなぁ~。
ここからは例によってヴォーカルが入れ替わり立ち替わり、演奏が繰り広げられていく。
司会はオーティス栗原風の衣装とメイクでキメたリリー・フランキー。とはいえ別室から映像のみの登場。
奥田民生は「つ・き・あ・い・た・い」。すっかりお馴染みとなった感がある、安定感たっぷりの演奏。
続いて宮藤官九郎が「自由」を唄う。「よろしくお願いします!」と頭を下げ、やたらと低姿勢なのが笑える。
次はYO-KING+浜崎貴司+間 寛平+斉藤和義という異色の顔ぶれで「腰をふれ」。
せっちゃんはドラムを叩き、寛平ちゃんは「チャチャマンボ」のような感じで文字通り腰を振る。
演奏後に浜ちゃんから「ふざけ過ぎ」と突っ込まれると、何故か「血ぃすうたろか」をレクチャーする寛平ちゃん。
賑やかだった演奏から一転して、YO-KINGがバンドをバックに「雑踏」を唄う。
いきなりの展開と切々と唄いあげるヴォーカルにグッときた。清志郎ソロからの選曲というのもイイ。
更に寺岡呼人と渡辺大知が加わり、三人でアコースティック・ギターをかき鳴らしながら「わかってもらえるさ」。
今回の選曲は「自分がやりたい曲を出し合う」方式だけど、かぶってしまったため三人で唄うことにしたとのこと。
寺岡呼人はRCファンのバイブル「愛しあってるかい?」を手に取り、「最後のほうのページに歌詞が載っていた曲。
アルバム『MARVY』でようやく聴くことが出来た」という紹介で「ありふれた出来事 PART2」を唄う。
ここでひとまずバンドだけになり「あの娘とショッピング」。ヴォーカルをメンバー全員でまわす。
多田さんのヴォーカルがとても可愛くて艶っぽくて、それが聴けただけでも大満足という感じ。
演奏は「RUN 寛平 RUN」へと変わり、フロア後方から客席の間を駆け抜けて寛平ちゃんがステージへ。
寛平ちゃんはこの曲を聴きながらアース・マラソンに挑戦し、その途中であの報せを聞いたんだよな・・・。
そんなことを思いながら、清志郎が作った「ジャングル・ジム」を唄う寛平ちゃんを観る。
続いてトータス松本+のんという組み合わせで「I LIKE YOU」。のんちゃんと言えばこの曲という感じか。
唄はあいかわらずという感じがしたけど、ギターはちょっとだけ上手くなったような気がする。
トータスは「今回のナリサリは『清志郎の声でいま聴きたい唄』というコンセプトで選曲した」と話し、
「だけど清志郎さんは居ないので僕が唄います」と言ってOtis Reddingの「Try A Little Tenderness」。
これがもの凄くて「さすがトータス!」としか言いようが無い感じ。パワフルでスィートでソウルフルな唄声。
「ガッタ!ガッタ!」と繰り返し、しまいにはフトンショー。サポートするのはシャブちゃんでなく宮藤官九郎。
最高の形で第1部は19時ちょうどに終了し、10分間のインターバルに入る。
19時10分過ぎに第2部がスタート。まずはFM COCOLOのDJブースがスクリーンに映し出される。
ステージに並べられた清志郎ゆかりの品(オレンジ号・ORANGEアンプ・Fenderエスクワイヤー)が紹介され、
「ここ大阪府立体育館では1981年にRCが武道館ライブの数日前に演奏した」というエピソードが語られる。
そしてステージには寺岡呼人+奥田民生+斉藤和義+浜崎貴司+YO-KING+トータス松本が登場。
つまりは「カーリングシトーンズ」。寺岡シトーン、奥田シトーン・・・とか呼ばなければいけないのだっけ?
唄われたのは「いい事ばかりはありゃしない」。なかなか良かったけれど、「CHABOは?」と思ってしまった。
続いてせっちゃんが、アコースティック・ギターを弾きながら「空がまた暗くなる」を唄う。
せっちゃんが初めてナニサリに出演した時に清志郎と唄った曲・・・その光景がクッキリと浮かんできた。
ここでせっちゃんがリリー・フランキーをステージに呼び込む。オーティス栗原に似せたメイクのつもりが
「すごく占いの当たりそうなゲイバーのママ」になってしまったと自虐的に話すリリーさんが可笑しい。
そしてせっちゃんと二人で「三番目に大事なもの」を弾き語り。リリーさんのヴォーカルが予想以上に素敵。
リリーさんと入れ替わる形で“T字路s”の二人が加わり、せっちゃんと「甲州街道はもう秋なのさ」を演奏。
伊東妙子のぶっとい唄声とせっちゃんの透き通った唄声が交錯して、なかなかおもしろいコントラスト。
続いて“T字路s”がバンドと共に「RHAPSODY」。この曲は梅津さんのサックスがやはり泣かせる。
次に浜崎貴司+宮藤官九郎の組み合わせで、「みなさんの大好きな曲を演ります」と「トランジスタ・ラジオ」。
イントロのサックスだけでたまらなくなる。藤井さんのギターも、CHABOを完コピしているところに感動。
二人と入れ替わりに登場したのはのんちゃん。「プン・プン・プン(オコリンボ リンボ)」という選曲は良かったけど、
唄はとにかくスゴイことになっていた・・・梅津さんがさりげなくフォローしてくれて事無きを得たという感じ。
その微妙な空気を一変させたのが渡辺大知。清志郎への思いを少し話したあと「ヒッピーに捧ぐ」を唄う。
かなり攻めた選曲に最初は「大丈夫か?」という気持ちで聴いていたのだけど、これがまたもの凄くて。
本人不在で悪く言えばコピー大会・カバー大会になってしまいそうなイベント・・・そんな中で
完全なオリジナルに昇華して唄っているところに心を動かされた。魂こもりまくり。音楽の本質を感じた。
バンドが「Green Onions」を奏でる中、「清志郎と出会うことが運命だった男」という梅津さんの紹介で、
グリーンのシャツを著たCHABOがステージに登場。今夜はメガネなしテレキャスの完全ロック仕様。
始まったのは「まぼろし」。スポットライトに照らされて、目の前の闇に語りかけるように唄うCHABO。
そこには確かに清志郎が居たような気もするし、CHABOの中に清志郎を感じたのかもしれない。
続いてCHABOは民生とクドカン、そしてのんちゃんをステージに呼び込み「ドカドカうるさいR&Rバンド」。
CHABOは曲が始まる前、「こんばんは。RCサクセションです」とサラリと言い放つ。
七色のライトに照らされてテレキャスを弾きまくるCHABOは、妖精度が200%アップ している感じ。
至近距離で演奏してくれたり、サインをしてくれたりするCHABOはもちろん好きだけど、
遠く離れたステージに居るCHABOも最高。思えばこの距離感・・・いつまで経っても憧れのRockスター。
ステージに出演者全員が登場し、クドカンの「オーケー!CHABO!!」の掛け声と共に「雨あがりの夜空に」。
「ドカドカ」と「雨あがり」ではギタリストに徹して、他の出演者の後にまわってギターを弾きまくるCHABO。
「自分が一番年上だと思ったら先輩が居た!」と、自分より年上の寛平ちゃんが居たのが嬉しいみたい。
CHABO用にセッティングされたマイクに向かって張り切る寛平ちゃんに、拝み倒すようなジェスチャーをして
「雨あがりの夜空に吹く風が~♪」のフレーズだけは自分で唄うCHABO。そこにCHABOの意思を感じる。
そして「RCサクセションが聴こえる~♪」と「激しい雨」。今夜のCHABOは完全にRCを背負っていた。
だけどRCのメンバーはCHABOと梅津さんだけという事に気づき、ちょっと複雑な気持ちになったのも確か。
遠くへ行ってしまった人や演奏をやめてしまった人に想いを馳せて、目の前で繰り広げられる演奏を観ていた。
せめてコーちゃんが居てくれたらなぁ~と思ったりもした。そんな中で多田さんのサックスがとても良くて・・・。
RCの凄さはメンバー全員がそれぞれ際立っているところだと思うけど、多田さんのサックスもすごい存在感。
アンコールは「毎日がブランニューデイ」。CHABOはサングラスをかけての演奏。
単にライトが眩しかったのか? 何か思うことがあったのか? 本当のところはCHABOにしかわからない。
「RCが止まる1990年、梅津と片山に助けられました。今日は居ないけど金子マリに助けられました」とCHABO。
清志郎と最後に共作した歌詞をひとつひとつ噛みしめるように唄い、テレキャスでゴキゲンな音を鳴らす。
気がつけば普段はあまり汗をかかないCHABOの背中が、汗ですごいことになっていた。
最後はスクリーンにエンドロールと共に清志郎が唄う「Oh! RADIO」が流れ、21時05分過ぎにすべて終了。
CHABOはRCをやりたいんだろうな・・・いろいろあったけど、今のフィーリングとして。
それは再会など絶対あり得ないと思っていた加奈崎芳太郎と、“古井戸”を復活させた事でもわかる。
「思い出に生きる」と口癖のように言いつつ、想い出だけではない現在の形で表現しているCHABOだもの。
完全な形でRCを観たい。だけどそれは・・・そんな事を思った今回のナニサリだった。
終演後は千日前の「とりひめ」で打ち上げ。
あいかわらず楽しかった。昨日誕生日だった友達にサプライズで「Happy Birthday♪」も出来た。
24時には閉店のため、八人で流れて「一心」という店で二次会。
けっきょく2時まで呑んで、千日前を徘徊しつつ3時にホテルに戻る。
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