ケラリーノ・サンドロヴィッチ「室温~夜の音楽~」世田谷パブリックシアター
今日は世田谷パブリックシアターへ、「室温~夜の音楽~」を観に行く。
この作品は、ケラリーノ・サンドロヴィッチが2001年に作・演出を手がけた舞台。
あれから21年経った2022年、奇才・河原雅彦の手により新演出版として上演される。
三軒茶屋へ行くのも久しぶり。三軒茶屋へ行くなら、やっぱり世田谷線に限る。
朝から何も食べていないので、駅前のお店で白い今川焼を買って食べる。
11時40分ごろ会場入り。今日の席は1階O列20番。後から二列目だけど、舞台真正面で見やすい。
お客さんはビッシリの大入り。東京公演千穐楽ということもあって大盛り上がり。
ほぼ予定通り、12時過ぎに開演。
二段構造になった舞台の上段にFunkバンド“在日ファンク”がスタンバイ。
その生演奏をバックに、舞台の下段に設けられた屋敷の居間で物語が繰り広げられていく。
田舎でふたり暮らしをしているホラー作家・海老沢十三(堀部圭亮)と娘・キオリ(平野綾)。
12年前、拉致・監禁の末、集団暴行を受けて殺されたキオリの双子の妹・サオリの命日の日に、
様々な人々が海老沢家に集まってくる。巡回中の近所の警察官・下平(坪倉由幸)、
海老沢の熱心なファンだという女・赤井(長井短)。タクシー運転手・木村(浜野謙太)が腹痛を訴えて入り込み、
そこへ加害者の少年のひとり、刑務所から出所したての間宮(古川雄輝)が焼香をしたいと訪ねてくる。
バラバラに集まってきた人それぞれの奇妙な関係は物語が進むに連れ、死者と生者、善と悪との境が
曖昧になっていき、やがて過去の真相が浮かびあがってくる・・・というストーリー。
ところどころに笑いを交えながらも、ストーリーは極めて猟奇的で重たい。
登場人物それぞれの思惑が、突然のタイミングで爆発するところが怖い。
警察官・下平の狂気のふるまい、女・赤井の腹黒さ、娘・キオリの理科不能な動き。
一連の事件には関係ないタクシー運転手・木村も次第におかしくなっていき、なんだか救いようが無い。
その中でどこか達観しているホラー作家・海老沢十三の存在が、物語の軸になっていた。
“在日ファンク”は舞台の下段にまで出てきて演奏を繰り広げる。音楽と芝居が見事に一体化している。
第1幕:65分、休憩:20分、第2幕:70分という、長くもなく短くもない丁度いい長さ。
東京公演は本日が千穐楽ということで、カーテンコール後に“在日ファンク”の一曲演奏もあり。
ライブ感たっぷりでとっても楽しめる舞台であった。
終演後は三軒茶屋の街をブラブラ。
「つるかめ商店」も「Fujiyama」もお休みだったけど、その存在を確認出来ただけで嬉しい。
お腹が空いたので、「もつ焼よし田」という店で昼呑み。カウンター奥の特等席に案内される。
机の上の鉄板で焼きながら食べるスタイル。どれも柔らかくて美味しい。ビールとホッピーがすすむ。
1時間半ほど満喫して、17時過ぎにおひらき。お腹イッパイで大満足。
三軒茶屋といえば「OIMO」。生スイートポテトを買い、酔い覚ましのスムージーを呑む。
帰りももちろん世田谷線。いつの間にか爆睡して、下高井戸駅で駅員さんに起こされた。
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