山下達郎「PERFORMANCE 2022」なら100年会館 大ホール
17時半ごろ再び出かける。
今日はなら100年会館 大ホールへ、山下達郎「PERFORMANCE 2022」を観に行く。
いよいよこの瞬間がやって来た。実に三年ぶりの山下達郎のコンサート。
ツアーは6月から始まっているけれど、なかなかチケットが取れずに8月になってようやく。
ホテルから会場までは10分ほどの距離。それでも暑い中を歩くのは大変。
18時ごろ会場入り。1階席から2階席が吹き抜けの階段になっている奇妙な造り。
座席は細かいブロックに分かれていて、かなりゆったりした配置。キャパは1,476人とのこと。
私の席は1階Mブロック ハ列24番。実質的に前から12列目だから、それほど悪くないポジション。
ステージはどこかの国のアーケード街という感じ。海辺に近い繁華街というところか。
「Bistro」「GERATO GALLERIA」「BAR」「COMPARI」「Caffe」「OSTERIA」の看板が見える。
開演予定時間の18時30分ちょうどに場内アナウンスがあり、それから5分ほどして開演。
フロアが暗転すると、アカペラのオープニングSEが流れて、メンバーがステージに登場。
Drums:小笠原拓海、Bass:伊藤広規、Guitar:佐橋佳幸、Keyboards:難波弘之、
Keyboards:柴田俊文、Sax:宮里陽太、Chorus:ハルナ・ENA・三谷泰弘、
そしてブルージーンズにオレンジ色のシャツをインした達郎が、ステージ下手から登場。
一曲目はもちろん「SPARKLE」。そう!この感じ。ずっと待っていたんだよ。
続いて「あまく危険な香り」から「RECIPE (レシピ)」。達郎の声がちょっと太く感じるのは気のせい?
「人力飛行機」が始まったところで、「生まれて初めて奈良でライブを演ります」と達郎が挨拶。
「この会場は変な形だけど、意外と音が良い。この広さでキャパ1500人なんて贅沢」とポツリ。
「人力飛行機」はニューアルバム「Softly」に収録されたナンバー。歌詞もサウンドもすごく好きな曲。
ここでMC。「三年ぶりにツアーを再開しましたが、コロナにかかってしまって4本延期になり、今日は13本目です」
「私は来年で古希ですけど、この年齢になってニューアルバムを出すことが出来るとは思いませんでした」等々・・・。
相変わらず饒舌で、ユーモアたっぷり思いやりたっぷりの言葉。これもまた達郎の魅力のひとつ。
ミディアムテンポの「MUSIC BOOK」から、スローな「僕らの夏の夢」へ。ステージバックの空の色が変化する。
達郎は「私のレパートリーは300曲以上あるのですが、現在ステージで演奏出来るのは127曲ある」と言い、
「カバーソングの中で一番ウケたのはこの曲」という紹介で大瀧詠一のカバー「君は天然色」を演奏。
続いて「みんなのソロをフィーチャーしていると、誰のライブかわからなくなるので」ということで、
各パートのソロ合戦を交えながら「PAPER DOLL」。達郎のテレキャスを使ったギターソロから始まり、
難波さんのピアノ、柴田さんのキーボード、佐橋さんのギター、宮里さんのサックスの順でソロまわし。
ものすごく濃密な演奏。この一曲だけでも、山下達郎のコンサートを観に来た甲斐がある。
ここでバンドメンバーはステージを後にして、達郎はステージ上手のYAMAHA MONTAGE 8に向かう。
そして「シャンプー」をじっくりと弾き語り。宮里さんのサックスが、その唄声にそっと寄り添う。
達郎は「ええお客はんや!」と手をすり合わせながら言い、アカペラのコーナーが始まる。
まずは鈴木雅之のために書いたという「おやすみ、ロージー」。久しぶりに聴くアカペラ、やっぱり素晴らしい。
続いて「I ONLY HAVE EYES FOR YOU」。曲名を直訳すると「私はあなたのための目しか持っていない」。
そんな解説には思わず笑ってしまうけど、唄はもちろん最高。この曲をライブで聴くのは初めてかもしれない。
「Joy To The World」が流れて、バンドメンバーが再び登場して「クリスマス・イブ」が始まる。
何回観てもこの展開は心にジーンと来る。いろいろな想いが駆け巡り、思わず涙があふれてくる。
今回はプロジェクションマッピングはなく、ステージ後方に巨大なクリスマスリースが輝く演出。
続いて始まったのは「蒼氓」。ステージ上空からのライトに照らされ、達郎が神懸かって見える。
曲の後半には「People Get Ready」「Blowin' In The Wind」「希望という名の光」が挿入される。
三人のコーラスをバックに、達郎が激しくシェイクする。それにからみつく宮里さんのサックス。
そのまま難波さんのピアノのイントロから「さよなら夏の日」。この流れは本当に反則。
この曲はひょっとして、この世で一番美しい唄なのかもしれない・・・またもや涙があふれ出す。
話題は再びニューアルバムの事になり、そのプロモーションが「老人虐待」とボヤく達郎。
そう言いながら、「来年は『JOY 2』を発売する」と力強く宣言。これはまた楽しみが増えた。
達郎は「City Popが最近流行っているようで、今日もCity Popを一曲」と言って「BOMBER」。
これまで座っていたお客さんがじわじわと立ち上がる。そうだな、これは座ってはいられない。
間奏で達郎のギターカッティング・ソロが炸裂。そしてそのまま「SILENT SCREAMER」に変化していく。
続いて「LET'S DANCE BABY」。鳴り響くクラッカーに「三年間よく耐えた!」と達郎。曲の後半は、
「LOVELAND, ISLAND」「踊ろよ、フィッシュ」「高気圧ガール」「ヘロン」「CHEER UP! THE SUMMER」のメドレー。
「今夜も道楽でこの一曲」と達郎は言い、始まったのは「ハイティーン・ブギ」。この展開も大好き。
「ハイティーン・ブギ~♪」のところでひとり拳を振り上げていたら、達郎に見つかってしまった(と思う)。
そして最後はいつものように「アトムの子」でフィナーレ。あぁ~なんて楽しいんだろ。
アンコール、チェックのシャツに着替えて達郎が再びステージに登場。
「私のせいじゃありませんけど、今日はマスクで鑑賞、申し訳ありませんでした」と達郎。
そしてニューアルバム「Softly」の大きなパネルを掲げてインフォメーション。ちょっと笑える。
「お盆休みの夏なので、夏向けの一曲」という紹介で始まったのは「THE THEME FROM BIG WAVE」。
続いて「RIDE ON TIME」。曲の途中でメンバー紹介をして、エンディングでは恒例のアレが始まる。
達郎は「ここから先、数分間が一番問題」と言って、ステージ後方のお立ち台で生声シャウト。
「3階席の一番後に向けて」という言葉通り、思い切り声が出ていて思わず圧倒される。
ひとまずメンバーがステージ中央に集合。「お達しにより手を繋げない」ため、直立不動で一礼。
そして再びスタンバイして、「この会場に来ている、おひとりおひとりのために」と「いつか (SOMEDAY)」。
この選曲・・・達郎からみんなのメッセージみたいで、ものすごく心に染み入ってきた。
バンドメンバーが退場し、達郎ひとりステージに残り、「カッコよく歳とって行きましょう」とメッセージ。
最後の曲は「YOUR EYES」。宮里さんのサックスをバックに、しっとりと唄いあげる達郎。
「THAT'S MY DESIRE」が流れる中、達郎はミニタンバリンを客席に投げ入れ、名残惜しそうに去っていった。
21時25分ごろ終演。三年ぶりの達郎は、変わらずに最高な達郎であった。
奈良の夜は早い・・・というわけで、打ち上げの店を探すのはひと苦労。
JR奈良駅から三条通りへ出て、近鉄奈良駅方面までウロウロしたけど見つからず。
かと言ってチェーン店で呑んでも仕方ないし、ジモティーだらけの店でポツンと呑む勇気もない。
そんな中、「かすうどん加寿屋」という店を発見。オシャレな感じの店だけど、なかなかイイ雰囲気。
ホルモン焼や豚足・美人串をつまみに、ビールで喉を潤す。メチャメチャ旨くて、思わずおかわり。
プレーン酎ハイがグレープ酎ハイになっちゃったりしたけど、のんびりとしてイイ店だなぁ~。
シメにかすうどんを食べて、23時ごろおひらき。ホテルに戻って呑み直す。
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